バイオディーゼルの製造工程のご説明
バイオディーゼルを作る為の廃油の前処理
ルートごとに廃食油を管理する。
油種の管理。こめ油・パームオイル等精製に適さない配食油を使用しない為。
BDF製造する廃食油のAV値を確認する。
1AV〜3AVの廃食油を使用。
回収後2日〜3日静置した廃食油の上澄みを使用する。
夾雑物・水分を比重分離させる。
静置後の廃食油の上澄みを前処理タンクに移す。
前処理タンクの廃食油をヒーターで30度まで加熱する。
流動性の確保の為。
加熱した廃食油をスピンクリーンで3時間浄油する。
前処理(スピーンクリーン)
2〜3日間静置した廃食油の内、AV値1〜3の廃食油の上澄み500ℓをギヤポンプ前処理タンクに移送して使用する。
スピンクリーンのトロコイドモーターの負担を軽減させる為、廃食油の温度はヒーターで10℃まで加温してから浄油作業に入る。(通年10℃で可)
浄油時間:AV値1・・・1時間
AV値2・・・2時間
AV値3・・・3時間とする。
※酸化値に合わせて、スピンクリーンの回す時間を決める。
※スピンクリーン運転時の圧力ゲージは0.6PA以下(0.5PAが最適)を維持するように、リリーフバルブで調節する。
運転時、ドレーンから廃食油を抜き取り、内部の汚れ具合を確認・データ収集後洗浄する。
反応
廃食油を60度まで加温する。
スピンクリーン工程を終えた廃食油を、トロコイドモーターで製造器に移し60℃まで加温する。
※エステル交換反応は、液温60℃を維持する事。(メタノール沸点64℃の為)
加温後1時間静置する。
水分を比重分離させる。
静置後、水分が下にたまっているか確認する。溜まっていたら水分を落とす。
水分除去後、60度まで廃食油を加熱する。
メトキサイドを調製する。
60度まで加熱した廃食油にメトキサイド7割を投入する。
投入前のメトキサイドの温度を確認し、廃食油の温度を60度に維持する。
メトキサイド投入後、60℃を維持しながら30分間撹拌する。
30分撹拌後停止して、40分静置する。
メトキサイド投入後、60度を維持しながら30分間撹拌する。
30分撹拌後停止して、40分間静置する。
静置後、サイトグラスからグリセリンの量、粒の大きさを確認する。グリセリンを下から落とす。
グリセリンの形状について・・・下からのグリセリンを確認するだけなく、投入口からBDFをお玉ですくい10秒ほどお玉の中で回す。お玉で10秒ほど回し、そこにグリセリンが円形状に沈殿張り付いてきた物を除去。
メトキサイド製造
- 廃食油AV値1(廃食油100ℓ) → メタノール16ℓ (廃食油に対して16%)、苛性ソーダソーダ800g(ソーダ600g)
- 廃食油AV値2(廃食油100ℓ) → メタノール17ℓ (廃食油に対して17%)、苛性ソーダソーダ900g(ソーダ700g)
- 廃食油AV値3(廃食油100ℓ) → メタノール18ℓ (廃食油に対して18%)、苛性ソーダソーダ1000g(ソーダ700g)
※メトキサイド製造の注意点
メタノールとカリ、ソーダどちらか混ぜ終わったとき、カリ、もしくはソーダはメタノールより比重が重いので、ソーダ、カリがメタノールに溶けてもメトキサイドを撹拌しながら、廃食油を60℃まで加温してある製造機に投入(メタノールとカリかソーダが均一投入)
アルコール飛ばし
製造装置の投入口を開けたまま、BDFを80度まで加熱・維持した状態で2時間撹拌する。
水洗い
アルコール飛ばし後、BDFを80度まで加温してから30度のお湯を50ℓ投入する。
BDFの温度を80℃に維持した状態で1時間撹拌する。
1時間撹拌後20分静置する。
静置後下から水分を落とす。
サイトグラスから分離状況を確認する。必要に応じて水洗い工程を繰り返す。
水洗い補足事項
エステル交換反応終了後、水洗い時のエマルジョン化を防ぐ為、試験管を使用して試験を行う。
- サイトグラス下部より粗BDFを試験管にサンプル採取し、サンプル量の10%水を入れ、手で振って撹拌後、水と油分が分離した段階で石鹸の量確認。
- 石鹸分と粗BDFが分離していれば、粗BDFの10%の量で水洗いを行う。
- 10%の粗BDFと水のマルジョンが出来た場合、再度粗BDFを採取し試験管サンプルで、水量5%で撹拌し確認。以降水量を調整しながら水洗い時の使用する水量を導き出す。
- 1回目水洗い:粗BDFを60℃まで加温した後、上記試験で導き出した量の水を同じく60℃まで加温して投入する。
- 2回目水洗い:粗BDF撹拌しながら60℃まで加温・維持、60℃まで加温した粗BDFの10%の水を投入する。
- 1時間撹拌30分静置。下から水抜き。
- 3回目水洗い:粗BDF撹拌しながら60℃まで加温・維持、60℃まで加温した粗BDFの10%の水を投入する。
- 1時間撹拌30分静置。下から水抜き。(投入する水温度60℃)
※サイトグラスより水の色が透明になり、水とBDFの境目の石鹸分が消えるまで洗い落とす。(最低5回)
水分飛ばし
製造装置の投入口を開けたまま、BDFを108度まで加熱・維持した状態で2時間撹拌する。
100度を超すと油の分子が拡大し、水分とBDFが分離しやすくなる為。
BDF表面の泡・音を確認する。
白色泡・シャバシャバ音が無くなったら水分が無くなった事を確認したら終了とする。
撹拌後2時間静置する。
完成したBDFに水分が残留してるかの確認方法。(鉄板を120〜150℃以上で熱して、BDFを5〜6摘たらし、泡が出なければ水分残留なし。
完成
BDFが常温まで温度が下がった状態で、1ミクロンフィルター・活性炭10ミクロフィルターを通して完成。